平成29年度決算特別委員会・総会質疑

平成29年度決算特別委員会

これまでの本市の取組み実績を徹底評価!

今後の福岡市政の進むべき方向性を提案しました!!


〇福岡市は本当に「元気」な都市か?
 ~成果指標で見る「福岡市の実力と実態」~

 最近、「日本の中で元気がある都市」として紹介されることが多くなった福岡市ですが、果たしてそのイメージ通りに市政は良くなっているのか?今回、このような問題意識を持って決算特別委員会・総会質疑に臨んだのですが、そこで質疑にあたって参考にしたのが『平成29年度・福岡市基本計画に係る実施状況の報告書』。この報告書には、あらかじめ設定された成果指標をもとに「福岡市の取組みにより、目標に対してどれだけの成果が出たか」ということがまとめられています。
 この報告書を分析した上で分かったのは、
①そもそも指標に対する評価基準が甘い。
②生活の質の向上につながる指標の結果が芳しくない。
③産業・就労関連の成果指標について、計画当初の数値より下がっている。

という事実です。
 とりわけ産業・就労分野については、本市は2012年にスタートアップ都市を宣言、2014年にグローバル創業・雇用創出特区に指定されて以来、創業・雇用の拡大に取り組み、それを実現してきたというイメージがありますが、成果指標を見る限りでは、それが結果として数字に表れていない(むしろ数値が悪くなっている)という点を明らかにしました。

成果指標 計画スタート時の数値 直近の数値 計画スタート時と
直近の数値の差
情報通信業の
従業者数
44,910人
(2009年)
44,690人
(2016年)
▲220人
進出した企業に
よる雇用者数
2,501人
(2011年)
1,041人
(2017年)
▲1,460人
食関連産業の
従業者数
156,303人
(2009年)
154,221人
(2016年)
▲2,082人
市の施策による
就労者数
910人
(2011年)
787人
(2017年)
▲123人
クリエイティブ
関連産業事業所数
2,571
(2010年)
2,504
(2016年)
▲67

産業・就労分野の成果指標は軒並み悪化。評価も最低ランクの「C評価」!

〇イメージに惑わされることなく
 目に見える数値データに向き合うべき!

 上記に示した表のとおり、「情報通信業の従業者数」、「進出した企業による雇用者数」、「食関連産業の従事者数」、「クリエイティブ関連産業事業所数」については、計画がスタートした年の水準すら回復していませんし、指標の数値も伸びていません。また、「一人ひとりの人権が尊重されていると感じる市民の割合」、「身近なスポーツ環境に対する満足度」、「学校の教育活動に対する満足度」、「地域活動への参加率」、「公民館の利用率」、「身近な緑への満足度」の6つの指標については、計画がスタートした時点よりも数値が下回っているにもかかわらず「B評価(=指標が改善、または現状維持)」という甘い評価をしている点も明らかにしました。
このように、生データで「数値が伸びていない」という事実については、真摯に向き合い、改善に向けた施策を講じるべきである点を強く指摘しました。

〇本市経済発展の生命線
 創業支援施策の抜本的な再評価を!

 総会質疑では、今後の福岡市政の方向性についても議論が及びました。その一つが、本市が最も力を入れているスタートアップ(創業支援)施策について。この分野を伸ばすことについては、私も間違っているとは思いません。しかし、大きな問題は、その施策効果について確認できる指標や数字が一つもないという点です。成果が確認できないということは、施策内容が効果を上げているのか、正しい施策になっているのかが分からないということだからです。
 また、創業支援分野については、具体的な雇用の創出や経済活性化に与えた影響、税収への影響等、その効果が目に見えるような指標を設定し、これまでの施策の在り方を抜本的に再評価する必要があるという点を強く指摘しました。