
成長プラットホームシティ・福岡
~アジアの成長を取り込む~
<戦略の趣旨>
1990年代初めには世界のトップクラスだった日本の国際競争力や1人あたりの国内総生産(GDP)は、20年近く経った今ではともに20位台に低迷しています。一方、中国は2010年には日本を抜き世界第2の経済になるなど、アジア諸国の経済はこの間に活性化し、世界の成長中心に躍り出ました。その成長を取り入れる企業活動がすでに世界中で積極的に展開されています。
板付遺跡や金印などが象徴しているように、福岡は古来より、日本の新しい経済形成に大きな役割を果たしてきました。宋人百堂や大唐街など大陸からの人が住まい、文化・経済の先進地として、うどんや稲作などを福岡から、その後日本全土に広めていった歴史は、まさにアジアを通して日本を成長させる福岡の経済的役割を表すものです。
1980年代から90年代、福岡市はいち早くアジア文化政策に着手し、アジア文化賞、アジア美術館、アジアフォーカス映画祭、アジアマンスなど、アジアをリードする形で展開してきました。福岡市が持つ近現代のアジア文化蓄積は、世界レベルで評価されるものとなっています。
福岡市は、2011春の九州新幹線開業を加え、福岡空港や博多港が近接した九州内での移動中心としてのポテンシャルは一段と高まります。すでに国内では有数の「ヒト・モノ」の移動の結節点となっている福岡市は、さらに「金・情報」の結節機能を高め、持続可能な成長戦略を推進する必要があります。
総合的に人の交流を増やすビジターズ・インダストリーや、アジアの社会問題解決を企業活動として支援するソーシャルビジネスを振興し、世界で評価されるアジア人材を生み出しながら、次々に新しい"しごと"を生み出す都市として、「ヒト・モノ・金・情報」すべてのプラットホームとしての地位を確立し、世界の中での九州・アジアの「成長プラットホームシティ・福岡」を目指します。
- 1. 福岡市に本拠を置く中小企業が若年者(卒後3年以内)を雇用した際に、その給与の1割程度を2年間の期限付きで助成する「若年新規雇用拡大助成金」制度を新たに創設します。
- 2. 生活保護受給者の社会復帰を促進するために、市が率先してボランティアへの参加を促すとともに、ボランティアやNPO、事業者と連携しながらフォローする「生活保護・社会復帰プログラム」を新たに実施します。
- 3. 大濠公園、舞鶴公園整備と一体で、福岡のアジアに向けた接客空間として鴻臚館を復元し、ビジターに「歴史あるもてなし港都市(まち)」の都市性を明確に示します。
- 4. 「アジア・フォーカス映画祭」の集客力を強化し、同時に「アジア映画フェア(見本市)」を開催し、映像関連産業に振興を図ります。さらに、蓄積のあるアジア近現代文化関連のメディア産業(出版、放送、プロダクション)を育てます。
- 5. 「アスペン・アイデア・フェスティバル」のような文化・学術の世界規模でのコンベンションをおこない、「ライブ産業(新しい評価の定まらない産業)」を振興します。
- 6. 福岡市における税も含めた、公共交通、水、エネルギーなどの基礎的コストを、企業対象を絞り政策的に助成し、企業活動の低コスト化を実現し、立地競争力を高めます。
- 7. 起業したばかりの企業や、中小・零細企業の優れた製品を、よろこんで購入して頂ける顧客ターゲットを明確にするマーケティング・データ完備によるビジネス支援事業をおこないます。
- 8. アジアビジネス支援企業、世界からアジア市場を狙う企業、さらに、世界からの人が住める「総合特区」づくりをおこないます。
- 9.福岡市が誇る水、ゴミなどの公共技術を輸出するためのコンソーシアム(官民共同による事業執行組織)を市誘導でつくり、大規模な公共技術を全体として輸出できる企業を育成します。
- 10. コミュニティ・ビジネス振興をソーシャルビジネス企業育成へと拡大させ、税の優遇、規制を越えて達成することに対する優遇措置、公的共同物流施設の設立など、介護、福祉、環境などの分野に特化した、支援プログラムを充実させます。
- 11. グラミングループ、九州大学と共同で、「アジア社会事業研究所」の設立し、ソーシャル・ベンチャーを育て、世界の新しい社会事業を支援していきます。
- 12. 小中高校での外国語、特に、英語での完全授業校の導入や、アジア語の特別教育プログラムを導入します。
- 13. 外国人が日本文化やアジア文化を学び文化理解を深めることができ、一般成人が先端技術や学問や起業ノウハウを学べ、再学習の入り口となる「コミュニティ・カレッジ」を設立します。
- 14. アジアの近現代の文化研究では世界一を目指すなど、福岡にふさわしい世界水準の高等教育研究機関を市主導で設立し、特定分野で指導力のある、即ち、人材吸引力のある人材の福岡在住ポストを確保します。